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小型犬に多い病気をご紹介します。
なんらかの原因で心臓が肥大すれば、心臓の上を通る気管が圧迫されて、呼吸しづらくなり、咳をするケースもあります。その症例でよく知られるのが、マルチーズなどの小型犬に多い「僧帽弁閉鎖不全症」です。
「僧帽弁」は、左心房と左心室のあいだにあります。肺で酸素を採り入れた血液は、肺静脈から左心房に入り、僧帽弁がひらくと、左心室に入ります。その血液は、左心室から心臓の強い収縮運動で大動脈に送られ、体内を循環する。しかし本来柔軟な僧帽弁が弾力を失い、カリフラワー状に変形して、きちんと閉じることができなくなれば、血液は左心房に逆流する。そうなれば、左心房はだんだんに肥大して、真上を通 る気管を圧迫して、気管がつぶれてくる。「咳」が心臓疾患の重要なサインとなります。
そのほか、フィラリアが蚊から感染し、その成虫が肺の血管に集まると、肺の血管が閉塞して「肺高血圧症」になり、肺での酸素交換がうまくできず、「ゼイゼイ」と咳が出ます。近年は予防薬の服用が一般 化したために、フィラリアに悩む犬たちも少なくなりましたが、ときには、予防の不徹底や、予防を始める前に感染していて、何年かして症状が出はじめるケースもあります。
また、慢性的な鼻やのどの病気、あるいは排気ガスやタバコの煙などで肺の状態が悪くなり、喘息(ぜんそく)のような症状に苦しむ犬もいます。早め、早めに治療が大切です。